2011年07月22日

レスリー礼賛「欲望の翼」 香港映画

かつて、香港にレスリー・チャンという俳優がいた。
彼は、ゴージャスでエロティックでデカダンス、
だけれども猥雑な魅力もある、香港の街のような俳優だった。
彼の魅力そのものを映し出した作品が「欲望の翼」である。
監督は、今や国際的著名度を誇るウォン・カーワイ監督。
アクションやギャング映画ばかりの香港映画界に、
彼はこの一作で新しい風を送りこんだ。
舞台は60年代の暗く湿った香港。主演はそこに息づく若者たち。
レスリーは、決して幸福とは言えない金持ちの家に暮らし、
働きもせず女をたぶらかし、
でもひたすらに美しい青年ヨディを演じている。
このヨディに失恋するスー、彼女を慰める警官。ヨディと恋に落ちるミミ。
若者たちはみな翼を持ちながら飛べないでいる、鳥のようだ。
やりきれない若者たちの鬱積した欲望を、
包み込むように流れるラテンミュージック。
すべてのシーンがけだるくそしてこのうえなく煌いている。
レスリーは2003年の4月、マンダリンオリエンタルホテルから飛び立った。
彼の満たされることのなかった欲望、そして哀しみは、解き放たれたと信じたい。



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posted by 映画人生 at 12:34| Comment(0) | 香港映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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